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ギャラリー HANA 下北沢(prototype)

中野 優太 個展「reflection / refraction」

2021年 12月16日(木) - 21日(火)
OPEN11:00-19:00

 「世界はあらゆる事物が事物同士との限りない相互作用・相互関係による出来事として常に流動し続けていると考える。また、人はその一部を現象を通し、意味や概念、言語などを無意識に重ねて見ることで、固定化された存在態として確立させる。そうすることで、人は世界を認識することができると考える。

 本作「reflection/refraction」では、写真の上からアクリル材とエポキシ樹脂で層を作り、歪みながら動くイメージを捉えることで、それが光の現象による作用であることを浮き彫りにする。この行為と現象から、"固定化された存在態"が光の現象によって捉えられた"事物の像"でしかないことを明らかにし、人の知覚が及ばない世界(客観的世界)に在る”事物”と、人が視覚で捉えた”事物の像”に生じるズレを測ることを試みる。また、これらを通し、人の知覚を超えた客観的世界と、人の知覚によって象られる世界との関係性を考察する。」中野 優太

 中野優太の作品は、その不確かな輪郭、形、具体性を示さない色調といった何がしかの情報の欠落がある。それを埋めるかの様に、視覚を通して、今までの経験や記憶、感情、イメージ、想念などが喚起されて対象が再構築されていく様に感じる。対象を捉えようと目を凝らす事で、人が自分以外の世界をどう認識してきたのかという原点に戻り、自身の内にある感覚と記憶を拡げていく事は、眼前や瞬間、此処、自意識から離れて、普遍的な世界の一部である自身を識る事に繋がっていくのかもしれない。[ Text: 大和 ユカ |アートライター・インディペンデントキュレーター ]

artist Profile中野 優太 / Yuta NakanoYuta Nakano Instagram: https://www.instagram.com/yuta_nakano_/

1997年生まれ。2020年日本大学芸術学部写真学科卒業。
世界と関わる中で起こる内部運動や無意識的働きを確かめるとともに、その構造を知るために世界の概念や現象を再構築しながら制作を行う。