□「朧月夜」360×240㎜ / Etching, Aquatint / 2022
「樹木幻想綺譚」
空を覆い隠すほどに枝を広げ葉を繁らし、
大地を掴むように根を張る大樹でさえ、
遥か遠い昔、大地に落とされた時は小さな一粒の種。
土と雨と光と風を、そして長い長い時の蓄積を糧に、
成長を重ねた姿は、豊かな命の塊。
恵みと災厄をもたらす自然の中で、命の循環を絶え間なく繰り返し、
開花や実りは、他の生物たちの命を育んできたのだろう。
今、私が目にしている瑞々しい木の葉も、時の蓄積の証。
穏やかな木漏れ日が奏でる光の輪舞。
駆け抜ける風と鳥たちの囀り。
計り知れない命のさざめきが降り注いでいる。
この木はまるで宇宙のようだ。
長野 順子
□「夏のモンスター」225×150㎜ / Etching, Aquatint / 2022
SPECIAL EVENT:□「夢幻樹」240×240㎜ / Etching, Aquatint / 2022
「樹木幻想譚」
9月24日(土) 開場:18時15分|開演:18時30分
銅版画家・長野順子×ユニットHoneyAssumeコラボ朗読劇
出演:長野諒子/出演・脚本:葉月へちま
チケット:【通常】2,800円|【パンフレット付】3,000円 ※予約制・会場現金精算
予約受付中▼https://honeyassume.themedia.jp
artist Profile:長野 順子 / Junko Nagano■ instagram: https://www.instagram.com/junko_nagano_etching/
1966 群馬県出身
1989 東京芸術大学美術学部建築科卒業
1991 東京芸術大学大学院美術研究科建築専攻修了
5年間の設計事務所勤務後美学校にて、吉田克朗氏、清野耕一氏のもとで銅版画を学ぶ
1998 世田谷美術館区民ギャラリーにて初個展
以後、東京・大阪・群馬・新潟・岡山・鳥取・石川等、各地で個展を開催
2000 群馬県高崎市のアトリエで制作を始める
2008 木村威夫監督の映画「夢のまにまに」の劇中に銅版画作品が使用され、2008年10月より全国各地で上映
2010 高崎市とプルゼニ市(チェコ共和国)との姉妹都市20周年記念事業
「日本文化の日」の一環として、 イジー・トルンカ ギャラリー(プルゼニ市)にて個展を開催
2017 作品集「果て無き世界へ」を刊行
2017年以降、LIXILの卓上カレンダーの原画制作を務める。
海外でも招待作家として、多数の展覧会を開催する。
<主な受賞・入選歴>
2005 版画フォーラム2005 和紙の里ひがしちちぶ展 入賞
上毛芸術文化賞美術部門 受賞
2007 イタリア・ボローニャ国際絵本原画展(2007・2010)
Prints Tokyo 2007
2010 第55回CWAJ現代版画展(2010・2011・2012・2013)
第33回FISAE国際蔵書票会議(トルコ)
2011 日本書票協会公募展–2010名古屋大賞
第23回マルボーク現代蔵書票国際公募展(ポーランド)
第6回国際イラストレーション展「聖なる色 アリア」入選(イタリア パドヴァ)(2011)
第8回高知国際版画トリエンナーレ展 入選(2011・2014)
2012 シャルジャ・児童書のためのイラストレーション展(UAE、シャルジャ)(~2015)2013年招待作家、2015年 2位入賞
〈挿画の仕事〉
2001 女性のためのアンデルセン童話1「みにくいアヒルの子」(小さな出版社)
2002 女性のためのアンデルセン童話2「おやゆび姫」(小さな出版社)
「天山逍遥・平野秀哉詩集」(詩画工房)
2005 「ぼくとひかりと園庭で」著:石田衣良(徳間書店)
2013 「ダックスフントと女王様」著:メラニア・G・マッツッコ、訳:栗原俊秀(未知谷)
2014 「ミニシアター 最後の星」著:十一谷朋代(未知谷)
2015 「虹色峠」著:十一谷朋代(未知谷)
2017 「時の鐘」 十一谷朋代 (未知谷)