銅版画家 長野 順子による展覧会。
想像上の建築物を主体とした作品や、少女や動植物をテーマにしたメルヘンな世界まで、幅広い作風を緻密な銅版画で描く事でも知られている。ボローニャ国際絵本原画展への入選をはじめに国内外の受賞歴も多く、近年では書籍の装丁やLIXILカレンダーへの作品提供など活動領域も広げている。不思議な異世界を描く長野作品に、空想を広げてみるのはいかがでしょうか。下北沢にお越しの際は是非。
「空想の旅に出掛けましょう。
荷物もお金も要りません。好奇心で満たされた“あなた”が居れば、直ぐに旅は始まります。
今宵は月明かりも麗しく、例えば囚われの姫君を救い出す旅などいかがでしょう?
その昔、月を捕まえようと王が築いた高く堅牢な塔。もう何百年も塔の扉は閉ざされたまま。宝物が眠っている?怪しげな魔物が住み着いている?どれも冒険の旅には相応しい噂話だけれど、せっかくの月夜ですから、月の光のように妖艶な姫君の救出に向かいましょう。
進むほどに道は険しく、試練も後を絶たないかもしれません。でも“あなた”には無敵の空想力があります。とはいえ、冒険の味付けは、少し辛いくらいが味わい深いかもしれません。
月光が誘っています。」 長野 順子
長野 順子 / Junko Nagano
1966 群馬県出身
1989 東京芸術大学美術学部建築科卒業
1991 東京芸術大学大学院美術研究科建築専攻修了
5年間の設計事務所勤務後美学校にて、吉田克朗氏、清野耕一氏のもとで銅版画を学ぶ
1998 世田谷美術館区民ギャラリーにて初個展
以後、東京・大阪・群馬・新潟・岡山・鳥取・石川等、各地で個展を開催
2000 群馬県高崎市のアトリエで制作を始める
2008 木村威夫監督の映画「夢のまにまに」の劇中に銅版画作品が使用され、2008年10月より全国各地で上映
2010 高崎市とプルゼニ市(チェコ共和国)との姉妹都市20周年記念事業
「日本文化の日」の一環として、 イジー・トルンカ ギャラリー(プルゼニ市)にて個展を開催。
2017 作品集「果て無き世界へ」を刊行2017年以降、LIXILの卓上カレンダーの原画制作を務める
海外でも招待作家として、多数の展覧会を開催する
<主な受賞・入選歴>
2005 版画フォーラム2005 和紙の里ひがしちちぶ展 入賞
上毛芸術文化賞美術部門 受賞
2007 イタリア・ボローニャ国際絵本原画展(2007・2010)
Prints Tokyo 2007
2010 第55回CWAJ現代版画展(2010・2011・2012・2013)
第33回FISAE国際蔵書票会議(トルコ)
2011 日本書票協会公募展–2010名古屋大賞
第23回マルボーク現代蔵書票国際公募展(ポーランド)
第6回国際イラストレーション展「聖なる色 アリア」入選(イタリア パドヴァ)(2011)
第8回高知国際版画トリエンナーレ展 入選(2011・2014)
2012 シャルジャ・児童書のためのイラストレーション展(UAE、シャルジャ)(~2015)2013年招待作家、2015年 2位入賞
〈挿画の仕事〉
2001 女性のためのアンデルセン童話1「みにくいアヒルの子」(小さな出版社)
2002 女性のためのアンデルセン童話2「おやゆび姫」(小さな出版社)
「天山逍遥・平野秀哉詩集」(詩画工房)
2005 「ぼくとひかりと園庭で」著:石田衣良(徳間書店)
2013 「ダックスフントと女王様」著:メラニア・G・マッツッコ、訳:栗原俊秀(未知谷)
2014 「ミニシアター 最後の星」著:十一谷朋代(未知谷)
2015 「虹色峠」著:十一谷朋代(未知谷)
2017 「時の鐘」 十一谷朋代 (未知谷)